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2026.08.30
コンセプトカーを公道へ!京都での特殊車両車検
この記事でわかること
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保安基準適合と個別認可の手続きの全体像 - ✔︎
灯火類・ブレーキ・排ガスなど特殊車両が抱える技術的課題 - ✔︎
京都の車検工場が担う意匠保護と展示後の公道復帰整備
世界の自動車メーカーがモーターショーや技術展に出品するコンセプトカーは、多くの場合、公道走行を前提として設計されていません。前衛的な造形・試験段階の駆動システム・量産品とは異なる灯火類——これらは展示会場では観衆を魅了しますが、日本の道路運送車両法が定める保安基準に照らすと、そのままでは車両として登録できない状態が一般的です。それでも「あのコンセプトカーを実際に公道で走らせたい」という依頼は現実に存在します。自動車メーカーのテスト走行、映像撮影のための実走、あるいは販売前の市場調査目的での使用など、理由はさまざまです。こうした依頼に対応するには、保安基準適合に向けた改修と個別認可取得の両輪を同時に回す必要があり、高度な法的知識と実車改修技術が求められます。本記事では、コンセプトカーや試作車を京都で公道走行可能な状態に整える工程を、技術・書類・法制度の各側面から詳しく解説します。
目次
1. 試作車やコンセプトカーの保安基準適合
日本において自動車を公道で走らせるためには、道路運送車両法の保安基準を満たすことが大前提です。量産車であれば型式指定を受けた段階でこの基準への適合が証明されますが、試作車やコンセプトカーには型式指定が存在しません。そのため、一台ごとに保安基準への適合を個別に証明する手続きが必要になります。保安基準が求める項目は多岐にわたります。制動性能・前照灯の光軸と光量・方向指示器の点滅速度・騒音規制値・タイヤ外周と車体の干渉など、量産車では設計段階からクリアしている事項を、コンセプトカーでは事後的に確認・改修していかなければなりません。特に難度が高いのが、前衛的なデザインゆえに保安部品の配置が通常の車両とまったく異なる場合です。たとえばフラッシュサーフェスデザインを採用したモデルでは、ドアノブ・ウィンカー・リフレクターといった保安装備が外板に埋め込まれた形で設計されているケースがあり、保安基準の数値要件を満たしながらデザインを温存するという矛盾を同時に解決する必要があります。保安基準適合作業は単なる整備ではなく、法令解釈と実車改修の両面から進める高度な専門業務です。
型式指定のない車両に問われる法的根拠
型式指定なしの車両は「改造自動車」として扱われ、構造変更検査の対象となります。原動機・制動装置・灯火装置ごとに保安基準適合を証明する技術資料の提出が求められます。
- 国内未認定の外国製コンポーネントは個別に試験データを用意する必要がある
- 型式認定に準じた性能試験報告書の添付が認可申請の前提条件になる
保安基準適合の優先確認項目
前照灯光量・制動停止距離・排気ガス濃度の三項目は不適合時に即登録不可となるため、最初期の確認対象です。これらを先行して測定することで、改修の優先順位と工程全体の所要期間が明確になります。
- 市販品と異なるランプユニットは光束測定値を実測データとして記録する
- 制動停止距離は空車状態と乗車状態の両条件で計測し書類に反映させる
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2. 京都の技術者が挑む未知の機構の点検
コンセプトカーの技術的な特異性は、量産車の整備経験だけでは対応しきれない局面を随所に生み出します。たとえば、インホイールモーターを採用した試作EVでは、ホイール内部に駆動系・制動系・サスペンション機構が集約されているため、通常の整備手順がそのまま適用できません。同様に、ステアバイワイヤやブレーキバイワイヤといった電子制御機構を採用した車両は、機械的なフェールセーフ機構が従来の検査方法では確認できない場合があります。京都の車検工場がこうした案件に取り組む際に最初に行うのは、メーカーから提供される技術資料の精読と、機構ごとの作動原理の把握です。資料が英語や他言語で書かれている場合には翻訳作業も工程に含まれます。次に、実際に機構を動作させながら挙動を記録し、保安基準の各項目と対照させる確認作業へと移ります。この段階で予期しない動作特性が見つかると、メーカーのエンジニアと直接連絡を取りながら改修方針を協議する必要が生じます。未知の機構を点検するためには、整備士としての技術力だけでなく、エンジニアとしての探究心と法令知識の融合が不可欠です。このような複合的な能力を持つ技術者が京都の一部の工場に存在することが、コンセプトカー車検の依頼が集まる背景にあります。
技術資料の読み解きと作動確認の進め方
メーカーから提供される設計資料は量産車の整備マニュアルとは構造が異なり、試験目的ごとに分割された仕様書をひとつの整備計画として再編集する作業が先行します。
- 資料に記載されていない動作仕様はメーカーエンジニアとの確認会議を設定して補完する
- 作動確認の各工程は動画と数値データで記録し、認可申請書類の根拠資料として活用する
電子制御機構に対する安全確認の手順
ステアバイワイヤなど操舵系を電気的に制御する機構は、電源喪失時の挙動が安全審査の重点確認箇所です。フェールセーフモードへの移行条件と挙動を実機で再現して記録することが審査通過の要件となります。
- バックアップ系統の有無と応答速度を実測してデータシートに記録する
- 電装系の絶縁抵抗測定は高電圧系・低電圧系を分けて実施する

3. 個別認可を受けるための膨大な書類作成
コンセプトカーを公道走行可能な状態にするうえで、技術的な改修と並行して進めなければならないのが書類作業です。型式指定を持たない車両が保安基準への適合を証明するには、国土交通省または地方運輸局への個別認可申請が必要であり、要求される書類の量と専門性は量産車の車検書類とは比較になりません。申請書類には、車両の外観三面図・主要諸元表・原動機の性能曲線・制動装置の作動説明書・燃料系統の配管図・電気配線図などが含まれます。さらに保安基準の各条項に対して、どのように適合しているかを条文ごとに説明した「保安基準適合説明書」の作成が求められる場合があります。外国製コンポーネントを使用している場合には、日本の保安基準に相当する海外基準への適合証明も添付資料として準備が必要です。これらの書類を、実車の現状と整合性を持たせながら同時並行で整えていく作業は、整備士・事務担当者・場合によっては弁理士や法務担当者が連携して取り組む大規模なプロジェクトになります。書類の不備は審査の遅延を招くだけでなく、改修作業の再実施につながる場合もあるため、一次提出での完成度が全体工期を大きく左右します。京都の工場では、こうした申請業務を専門に担当するスタッフを置く体制を整えているところがあります。
個別認可申請に必要な主要書類
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外観三面図・主要諸元表:実測値を基に作成し、改修後の状態を正確に反映させます - ●
保安基準適合説明書:条文ごとに適合根拠を記述した最重要書類で、審査の核心になります - ●
海外基準適合証明:外国製コンポーネントには現地の認証文書を日本語訳と共に添付します
書類作成と実車改修を同期させるプロジェクト管理
書類内容と実車の現状に齟齬が生じると審査で指摘を受けます。改修工程の進捗を書類担当者がリアルタイムで把握できる共有管理体制の構築が不可欠です。
地方運輸局との事前協議が工期を短縮する
申請前に担当官と構造の概要について協議しておくことで、書類の方向性と要求水準を事前に把握できます。正式申請後の差し戻しリスクを大幅に下げる実務的な手段として有効です。
4. 車検適合のための灯火類カスタマイズ
コンセプトカーの外観デザインにおいて、灯火類の扱いは特に個性が強く現れる部位です。シームレスなボディラインに溶け込むような極薄のLEDライトバー、通常の車とは異なる位置に配置されたリフレクター、量産品にはない配光パターンを持つフロントランプなど、保安基準が想定する「標準的な灯火類」とは形状・配光・取り付け位置の面で根本的に異なることが珍しくありません。日本の保安基準は前照灯について、測定点ごとの最低光量・最大光量・カットオフラインの位置を細かく規定しており、デザイン優先で設計されたコンセプトカーの前照灯がこれをそのまま満たせるケースは多くありません。対処方法は大きく二方向に分かれます。ひとつは既存の灯具を内部から改修して配光特性を調整する方向、もうひとつは保安基準適合品の灯具をデザインに干渉しない形で追設する方向です。後者の場合、車体の意匠を損なわない位置に補助灯を組み込む工夫が求められます。方向指示器については点滅速度(毎分60〜120回)という保安基準の数値要件を満たすために、リレーユニットの交換や電子制御ユニットのパラメータ変更が必要になる場合があります。リアコンビネーションランプについても、ストップランプ・テールランプ・リフレクターのそれぞれが規定の位置・輝度・色度を満たしているかを個別に検証する必要があります。
前照灯カットオフライン調整の実務
配光試験機を用いてH-Vポイントを基準に左右の照射パターンを確認し、必要に応じてリフレクターの反射角またはバルブ位置を微調整します。調整後は実路面への照射確認も合わせて実施し、対向車への眩惑がないことを確かめます。
- 光軸調整後の数値は申請書類の測定結果欄に正確に転記する
- LEDユニット交換の場合は新旧ユニットの色温度差が配光に影響するため確認が必要
補助灯の追設でデザインを温存する取り付け設計
保安基準適合の補助灯をアンダーボディやリップスポイラー内部に組み込む方法は、外観変化を最小化しながら適合を達成する現場での定石手法です。補助灯の電源配線は既存ハーネスとの干渉を避けて新設し、防水コネクターで接続します。
- リフレクターは後方から視認できる位置への設置が必須で取り付け高さの規定を確認する
- 補助灯は後日取り外し可能な設計にしておくとデザイン復元の際に有利になる
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5. 世界に一台のコンセプトカーを守る養生
コンセプトカーの車検対応整備において、技術的な改修と同等以上に神経を使う作業が養生です。世界に一台しか存在しない車両の外装・内装・特殊素材に少しでも傷や汚れをつければ、代替品の調達は不可能に近く、場合によっては修復に数百万円規模の費用が発生します。一般的な整備では気にならないリフトパッドの当て位置ひとつでも、コンセプトカーの場合はカーボン製アンダーパネルや特殊樹脂製のサイドシルに接触して変形させるリスクがあります。まず、車両を入庫させる前の段階から養生計画を立てる必要があります。運搬用トレーラーからの積み下ろし方法、工場内での移動経路、リフトアップ位置、作業台周辺の保護——これらすべてについて、メーカーの技術担当者と事前に確認を取りながら計画を立案します。次に、実際の作業中は接触可能性のある外装面をすべて養生フィルムで保護します。ドアの内側・ホイールアーチ・バンパー周辺・ウィンドウエッジなど、工具や作業者の衣服が触れる可能性のある箇所に漏れなく養生材を貼付します。特殊塗装面や樹脂素材によっては一般的な養生テープで塗装剥がれが起きる場合があるため、使用する養生材の素材をメーカーに確認してから選定することが絶対条件です。作業後は養生材の撤去時にも細心の注意が必要で、剥がし方と剥がす速度が塗装面への影響を左右します。
リフトアップと移動時の車体保護計画
コンセプトカーのジャッキポイントは量産車と異なる位置に設定されていることが多く、メーカー提供のジャッキポイント図を参照して専用パッドの位置と形状を事前に準備することが損傷防止の基本です。
- リフトパッドには車両専用の形状を模したプロテクターを製作して取り付ける方法が有効
- 工場内移動は専任担当者2名以上がガイドし、一人作業を厳禁とする運用が原則
素材別に使い分ける養生材の選定基準
塗装面・カーボン・アルカンターラ・特殊メッキはそれぞれ異なる養生材を必要とします。残留糊が残らない低粘着フィルムを基本とし、素材適合を実車の目立たない箇所でテストしてから全面に展開します。
- アルカンターラや起毛素材は圧着式テープではなく被覆型カバーで保護する方法が安全
- 養生撤去は作業終了直後に行い、長時間放置による残留糊の固着を防ぐ

6. 京都での特殊なブレーキテストの実施
コンセプトカーに搭載される制動システムは、市販品の流用であっても車体重量・重心位置・タイヤ特性が通常の車両と異なるため、実際の制動性能を実測してから書類に反映させる手順が求められます。保安基準は制動停止距離について速度域ごとに上限値を規定しており、この数値を実車で下回ることを確認するのがブレーキテストの目的です。試験方法としては、平坦な路面で規定速度に達した後にブレーキを踏み込み、停止するまでの距離を計測するという基本的な手順を踏みますが、コンセプトカーの場合は同一条件での反復試験と左右のブレーキバランスの確認も併せて行います。電子制御ブレーキシステムを搭載した車両では、ABSの介入タイミングと停止距離の関係を記録し、非介入時との比較データも書類として整備します。また、ブレーキバイワイヤを採用した車両については、ペダルストロークと制動力の線形性を確認し、急制動時の応答遅延がないことを数値で証明する必要があります。コンセプトカーのブレーキテストで特に難易度が高いのは、前後荷重配分が量産車と大きく異なる場合の制動バランス調整であり、現場での試行と書類作成を往復しながら適合を証明する工程が生じます。試験は公道ではなく、許可を得た私有地や閉鎖路での実施が原則となります。
制動停止距離測定における記録の精度管理
測定誤差を最小化するため、路面温度・タイヤ空気圧・車両重量を試験開始前に記録し、すべての試験条件を統一してから計測に入ります。複数回の計測値の平均と最大値を両方記録することで、申請書類の信頼性が高まります。
- 計測器はGPS連動型の速度・距離記録装置を使用し、目視判定に依存しない
- 試験結果はメーカー立会いのもとで実施し、署名入りの確認書を添付する
前後制動力バランスの調整と確認手順
重心位置が低く設計されたコンセプトカーでは急制動時に後輪への荷重移動が少ないため、プロポーショニングバルブまたは電子制御による前後制動力の再配分が必要になる場合があります。
- 制動力配分を変更した場合は再度停止距離を計測し変更前後のデータを比較記録する
- 調整後の設定値は書類に数値として明記し、テスト結果との整合性を示す
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7. 排ガス規制をクリアするための最新技術
コンセプトカーがガソリンエンジンやハイブリッドシステムを搭載している場合、排気ガス規制への対応は保安基準適合の中でも技術的な難易度が高い分野のひとつです。日本の排ガス規制は窒素酸化物(NOx)・一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)・粒子状物質(PM)のそれぞれに上限値を設けており、試験条件も厳密に定められています。試作エンジンを搭載した車両では、ECUの燃調設定が最終量産仕様とは異なっている場合があり、その状態で排ガス測定を行うと規制値をオーバーするケースがあります。この場合、排ガス対策として最初に検討されるのがECUのリマッピングです。空燃比・点火時期・EGR率を規制値に適合する方向へ調整し、測定値が安定して規制内に収まることを確認します。触媒の状態確認も重要な工程で、コンセプトカーに搭載された触媒が活性温度に達していない冷間始動直後の測定値が規制をクリアできるかどうかを個別に確認します。EVやFCVのコンセプトカーについては走行時排ガスそのものは問題になりませんが、冷却システムから排出される水蒸気や、補助装置の燃焼成分についての確認が必要になる場合があります。排ガス測定は公認の試験機関が保有するシャシーダイナモを使用して実施するケースが多く、事前に試験機関との日程調整と試験仕様の確認が必要です。
ECUリマッピングによる排ガス最適化の進め方
燃調と点火時期の調整は出力特性にも影響するため、排ガス値と動力性能の両方を確認しながら進めます。メーカーの技術承認なしに独断でパラメータを変更することはトラブルの原因になるため、変更範囲を事前に書面で合意します。
- 調整前後のログデータを保存し、申請書類の根拠として活用する
- 規制値との余裕は5%以上確保することで気温変化による測定値のブレを吸収できる
触媒性能の診断と促進暖機対策
冷間始動直後の排ガス値は暖機完了後と大きく異なるため、試験サイクル全体を通じた平均値で規制をクリアできるかを確認します。触媒の急速活性化が必要な場合は電気加熱触媒(EHC)の追設が有効な選択肢です。
- 既存の触媒が劣化している場合は認証品への交換が審査通過の前提条件となる
- 酸素センサーの出力波形を記録し触媒のフィードバック制御が正常に機能していることを確認する
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8. コンセプトカーの意匠を損なわない補修
車検対応の改修作業中や搬送中に発生した微小な傷・塗装の擦れ・パネルの歪みを修復する際、通常の補修作業では使用できる素材や手法が大きく制限されます。量産車の板金塗装で使用するパテ・スプレー缶・汎用クリアは、コンセプトカーに採用された特殊塗料・樹脂素材・カーボンパネルとの相性が確認されていないため、安易に適用すると塗装面の変色・剥離・素材の変質を引き起こすリスクがあります。補修の前提として、メーカーから純正補修材の提供を受けるか、使用可能な代替素材の承認を書面で得ることが必須です。塗装補修の場合は、既存の塗膜と完全に一致する調色が最も難しい工程です。コンセプトカーの特殊塗装は量産品とは異なる顔料・フレーク・コーティング層で構成されていることが多く、色見本があっても分光測定による現物との照合作業を省略することはできません。カーボンパーツの欠け・クラックについては、樹脂修復材の浸透性と硬化後の弾性がパーツ本体と一致するかどうかを小片で検証してから本補修に入ります。補修後の仕上がりは作業エリアの照明条件・角度・距離を変えて複数の視点から確認し、意匠の一体感が保たれているかをメーカー担当者と立会い確認してから作業完了とします。
特殊塗装面の調色と補修範囲の設定
補修範囲を最小化しようとすると周囲との色差が目立ちやすいため、パネル単位または自然な区切りで範囲を設定することが仕上がりの自然さを確保します。メタリック・パール系の特殊塗装は角度によって色が変化するため、複数角度での確認が補修品質の判断基準になります。
- 調色サンプルを実車パネル端部で試し塗りし乾燥後に色確認を行ってから本塗装に進む
- クリア層の厚みを既存面と揃えることが光沢の均一性を保つうえで重要
カーボン・樹脂パーツの修復判断基準
表面のクリア層のみのダメージか積層部まで達しているかによって、研磨補修か充填修復かの判断が分かれます。積層への影響がある場合は強度への影響を評価したうえでメーカーと修復・交換の可否を協議します。
- 修復作業の内容と使用材料は写真付きで記録しメーカーへの報告書に添付する
- 接着剤や充填材はUV硬化型を優先し、熱収縮の影響が少ない素材を選定する

9. 展示会後の公道復帰に向けた総点検
モーターショーや技術展示会に出品されたコンセプトカーは、展示期間中に想定外の負荷を受けることがあります。会場内での繰り返し乗降・不特定多数による操作・照明熱の長時間照射・輸送中の振動——これらが積み重なることで、公道走行前に再確認が必要な箇所が発生します。展示会からの搬出直後に行う初期確認では、灯火類の点灯確認・電動系統の作動確認・ブレーキフルード量と色の確認・タイヤ空気圧と外観確認を最初に実施します。次に、展示期間中に操作されたステアリング・シフト・スイッチ類の動作確認と、接続部の緩みチェックへと進みます。会場での長時間展示では、特定の電装品が通電したまま長時間放置されるため、ハーネスや接続端子の発熱痕や変色を目視で確認する作業が欠かせません。輸送時の振動でネジの緩みや接続コネクターの外れが生じることもあるため、エンジンルーム・アンダーボディ・内装取り付け部の各締結点を再確認します。展示後の公道復帰チェックで特に重要なのは、新車状態で取得した車検証の内容と実車の現状が依然として一致しているかの確認であり、展示のために施した変更が保安基準に影響していないかを点検票に記録しながら確認します。
搬出直後の初期確認で見落とされやすい箇所
会場の高湿度環境に長時間さらされたコネクター類は腐食が進みやすく、外観正常でも接触抵抗が増大していることがあります。テスターによる導通確認を外観確認と並行して実施することで、走行中の突然の電気系トラブルを防止できます。
- 照明熱が集中したルーフ周辺の内装素材は剥離や変色の有無を重点確認する
- 展示台への固定に使用したボルト穴は車体への影響がないか寸法確認を行う
公道復帰前の試走確認と走行後点検
閉鎖路での低速試走を経て、走行中の異音・振動・操舵感を確認してから公道走行を開始します。試走後は停車して下回りからのオイル・フルード漏れを確認し、異常がないことを記録してから本格的な公道使用へ移行します。
- 試走距離は最低10km以上とし、低中速域と停車を繰り返す多様な走行条件を含める
- 走行中に警告灯が点灯した場合は即座に診断機を接続してフォルトコードを確認する
10. 未来の技術を支える京都の車検工場
コンセプトカーや試作車を扱う車検案件が京都に集まる背景には、地域の産業特性と人材の蓄積があります。京都は精密機械・電子部品・素材技術の分野で多くの研究機関・製造業者が集積しており、自動車の枠を超えた技術的な知見を持つ人材が比較的集まりやすい環境にあります。こうした環境で培われた技術者が車検業務に携わることで、コンセプトカーのような既存の整備マニュアルが通用しない案件にも柔軟に対応できる組織的な対応力が生まれています。また、京都は文化財保護の観点から景観規制が厳しく、建築や施設に関する法的手続きの経験が積まれている地域でもあります。こうした法令との向き合い方の文化的な蓄積が、個別認可申請という高度な書類業務にも活かされています。技術資料の読み解きから書類作成・実車改修・試験実施・申請まで一気通貫で対応できる体制を持つ工場は全国的に少なく、そのなかで京都の一部の工場は特殊車両案件の実績を積み上げてきました。コンセプトカーの車検対応は、未来の自動車技術が公道という現実の場で機能するかどうかを最初に問われる検証の場であり、この工程を担う京都の技術者は自動車技術の進化の一端を実地で支える役割を果たしています。
特殊車両案件に必要な工場設備と人材要件
一般的な車検ラインとは別に、大型特殊車両や低床車両に対応できるリフト設備と、高電圧系を安全に扱える資格保有者の配置が特殊案件受け入れの前提条件です。英語・中国語の技術資料を読解できるスタッフが在籍しているかどうかも、海外メーカー案件の受け入れ可否を左右します。
- 試作車対応には守秘義務契約の締結能力と情報管理体制の整備も求められる
- 地方運輸局との継続的な関係構築が個別認可案件のスムーズな進行を支えている
京都から発信される車検技術の今後の方向性
自動運転システムを搭載した試験車両や、次世代燃料電池車の公道試験許可取得といった案件は今後増加する見通しです。こうした新技術に対応するための試験基準の整備と工場設備の更新が、京都の特殊車両車検体制の継続的な課題です。
- 国土交通省が進めるSIP自動運転の制度整備と連動した技術対応が求められている
- 大学・研究機関との連携による最新技術の習得が次世代案件への対応力を高める
コンセプトカーの公道走行を実現するために
コンセプトカーを公道走行可能な状態にする工程は、保安基準適合・個別認可申請・実車改修・試験実施が複雑に絡み合う高度な専門業務です。灯火類の調整からブレーキテスト・排ガス対応・意匠を保った補修まで、各工程で求められる技術と法令知識は一般的な整備の範囲を大きく超えています。これらを一気通貫で対応できる京都の専門工場への相談を検討する際は、特殊車両の実績件数・書類対応能力・設備の三点を事前に確認することが、プロジェクトを円滑に進める出発点になります。
コンセプトカーの公道走行・京都での特殊車両車検に関するよくある質問
A. 車両の状態と改修範囲によりますが、最低でも3〜6ヶ月は見込む必要があります。
書類準備・実車改修・試験実施が並行するため、早期に運輸局との事前協議を始めることが工期短縮の鍵です。
A. 技術的・法的に可能ですが、対応する書類と改修の量は国産車より大幅に増えます。
海外基準の適合証明を日本の保安基準に読み替える作業が発生し、専門工場の書類対応能力が問われます。
A. 設計次第ですが、灯火類の追設などで外観に変化が生じるケースはあります。
意匠への影響を最小化するために、補助灯の埋め込みや目立たない位置への配置といった工夫が現場で行われています。
A. 展示前の状態を維持できていれば再確認費用のみで済みますが、変更があれば追加改修が必要です。
費用は車両の状態と必要な確認工程の範囲によって大きく変動するため、工場への事前相談が確実な見積もりの出発点です。
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「関わる全ての人にワクワクを」
京都で輸入車ライフをトータルプロデュースするFOURSIDEは、車を単なる移動手段ではなく、 自分らしさを表現する大切なパートナーと捉えて います。高度なコーティング技術やカスタム、 万全のメンテナンス体制を構築し、お客様が愛車を「誇りに思える」体験を追求します。
- 会社名 :FOURSIDE株式会社(フォーサイド)
- 創業 :2019年2月1月
- 代表者 :廣澤 慧
- 公式HP :https://www.4-side.com/
- 所在地 :京都府京都市北区上賀茂御薗口町57番地3
- 事業内容 :車両販売、整備、鈑金、塗装、コーティング、洗車、カスタム、レンタカー、保険代理店業、カフェ事業


