

なぜGクラスを選ぶのか、という問いへの答え
G400dを選ぶということは、流行とは別の時間軸を買うことに等しい。新車価格1,289万円、OM656型直列6気筒ディーゼルターボが330ps・71.4kg・mを発生させ、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはデフロック3基を備えたリジッドという本格オフロード構造を今も守り続けている。この堅牢さこそが所有の理由であり、同時に守るべき資産でもある。 今回の個体は2022年登録、ボディカラーはオパリスホワイト。FOURSIDEでの販売に先駆けて、外装の印象を一新する方針が決まっていた。フロントグリル、前後バンパーメッキパーツ、エンブレム、ボンネット、リアエンブレム、スペアタイヤカバー、そしてヘッドライトまでをキャンディ塗装で統一する計画である。ヘッドライトに関してはフェニックスキャンディという特殊な色味を選び、単なる外装変更ではなく個体の格を上げる作業に仕立てた。
脱着と分解、そして見えない場所での苦労
フロントグリル脱着からフロントグリル分解、ヘッドライト脱着、テールライト脱着、ウィンカーレンズ脱着まで、塗装前の工程は地道な解体作業の連続である。ホイールもグロスブラックへ塗り替え、足元の印象まで含めて統一感を作り上げた。こうした作業は仕上がりの写真には映らないが、塗装の密着と耐久を左右する最も重要な下準備である。 一方で整備面では、オイルとフィルターの交換、前後ワイパーの交換、アドブルーの補充、エアコンフィルターの内外気交換を実施し、バッテリーとサブバッテリーも新品へ交換した。サブバッテリーは運転席足元という奥まった位置にあり、作業者が最も手を焼いた箇所である。外から見えない部分にこそ、車の信頼性は宿っている。- フロントグリル・前後バンパーメッキパーツ・エンブレムのキャンディ塗装
- ヘッドライトへのフェニックスキャンディ塗装
- ホイールのグロスブラック塗装
- オイル・バッテリー・サブバッテリー交換を含む納車前点検一式

価値を守るという整備の本質
メルセデス・ベンツ G400dは、外装の個性と機械としての信頼性が両立して初めて真価を発揮する。キャンディ塗装という華やかな仕上げの裏で、オイルやフィルター、バッテリーといった地味な消耗品を一つずつ新しくしていく作業こそが、この車を次の持ち主へと受け渡す準備である。 全長4,660mm、車両重量2,490kgという堂々たる車体は、見た目の印象だけでなく足回りと電装系の健全さがあって初めて本来の走りを見せる。今回の施工は、その両輪を同時に整える試みであった。外観を新調し、内側を整えることで、この一台はまた長く走り続ける準備を終えたのである。


