アストンマーティン DB11 ヴォランテには、乗る前から勝手なイメージがつきまとう。だが実際に触れると、その先入観の大半は崩れる。

アストンマーティン DB11 ヴォランテ|気難しい英国車という思い込み
アストンマーティン DB11 ヴォランテと聞くと、扱いにくい英国車という印象を持つ人が多い。実際は違う。パワートレインはメルセデスAMG製のV8ツインターボであり、日常の始動性や電子制御の熟成度はドイツ車の水準に近い。冷間時の始動も一発で決まり、変速もスムーズだ。また内装の電装系も旧世代アストンにあった不安定さは薄い。英国車という言葉から連想される気難しさは、この個体にはほとんど当てはまらない。
革とウッドが語る内装の本気
内装は見た目以上に機能を意識して作られている。アリゾナブロンズの外装に合わせたタンレザーは、単なる装飾ではなく座面の座り心地まで左右する厚みで張られている。センターコンソールのウッドパネルは暖かく柔らかい質感で、革の温度感と調和する。しかし操作系は決して複雑ではなく、主要スイッチは3列程度に整理されている。見せるための内装ではなく、使うための内装として構成されているのが分かる。
V8だから遅いという誤解
V12こそ本物のアストンだという声があるが、V8モデルが遅いというのは誤解である。0-100km/h加速は約4秒台前半で、V12との差は実測でも僅かだ。また重量バランスはV8の方が優れており、フロント荷重が軽い分ステアリングの初期応答は鋭い。V12信者からすれば物足りないという評価もあるが、実際にサーキットで比較すればV8の方が速いコーナーも存在する。数字だけでなく、走りの手応えでも侮れない実力を持つ。
オープンは剛性が落ちるという思い込み
ヴォランテ、つまりオープンモデルはボディ剛性が落ちて乗り心地が悪化するという先入観が根強い。だが実際の走行では、その懸念は杞憂に近い。屋根を閉じた状態での高速走行時、路面のうねりを受けても車体の捻れはほとんど感じられない。屋根の開閉は約14秒で完了し、時速50km/h以下なら走行中でも操作可能だ。オープンだから軟弱という評価は、この個体の実際の剛性感とは一致しない。
高すぎて縁がないという壁
1500万円台という価格を見て、自分には縁がないと決めつける人は多い。だが14,251kmという走行距離を考えれば、新車時の価格から見た価値の残り方は決して悪くない。むしろ数年分の経年変化を含めて既に評価された状態で手に入る点は合理的だ。またアリゾナブロンズという外装色は京都の夕日の中でこそ、艶やかなその本領を発揮する。縁がないと諦める前に、一度実車の質感を確かめてほしい。
アストンマーティン DB11 ヴォランテ スペック・仕様
| メーカー | アストンマーティン |
|---|---|
| グレード | DB11 ヴォランテ |
| 年式 | 2023 |
| 走行距離 | 14,251 km |
| 外装色 | アリゾナブロンズ |
| ハンドル | 右 |
| 燃料 | ガソリン |
| 車検 | 2028年6月 |
| 修復歴 | なし |