この度FOURSIDEでご成約となったフォルクスワーゲン アルテオンが、納車を前に磨きとホイール修理のために工房入りした。艶を均一に見せるという、言葉にすれば簡単な作業の裏には、調色という名の静かな格闘があった。
マット塗装という不自由な素材
フロント左とリア右、2本のホイールに損傷が存在した。修理そのものは珍しくないが、問題は塗装がマットだったことである。光沢塗装であれば艶の均一さはクリアの厚みでほぼ決まる。しかしマットは違う。艶を意図的に殺す塗装だからこそ、わずかな差がそのまま見た目のムラとして残ってしまう。
アルテオンのモダンな足元を支えるホイールは、単色に見えて単純ではない。元の艶度に寄せるという作業は、正解が一つしかない狭い道を歩くに等しい。
二種のマット剤が示す配合という判断
調色では2種類のマット剤を使用した。配合の割合次第で艶の出方も見え方も変わるため、感覚だけで決めることはできない。クリアをしっかり乾燥させた状態で艶を確認し、そこから配合を調整するという手順を踏んだ。乾く前の見た目はあてにならないからである。
塗膜の厚み、スプレーガンとの距離、動かす速さ。このどれか一つが狂うだけで艶にムラが出る。複雑な形状のホイールにしっかり色をがからせながら、均一な塗膜を保つ。相反する二つの条件を同時に満たす作業だった。
磨きとタイヤ、ステップが語る仕上がり
ホイール修理と並行して進めたのが全体の磨きである。パイライトシルバーメタリックの塗面は、スポーティーさと高級感を両立させるというアルテオンの設計思想をそのまま映し出す色だ。磨きによってその二面性がより鮮明になった。
- ボディ研磨
- ホイール修理(フロント左・リア右)
- ドア中ステップパネルのシール剥がし
タイヤも新品に履き替え、ステップパネルのシールを剥がして本来の面を取り戻した。4モーションによる走行安定性を支える足元から、乗り降りの瞬間に目に入る細部まで。フォルクスワーゲン アルテオンは、大柄な車格に見合う上質さを取り戻して工房を後にした。