ハイエースの右リア周りを、バンパーからクォーターパネルまで一式で修復した。塗膜の下に隠れていたのは、過去の補修の痕と、穴の開きかけた鉄板である。同様の状況に悩むオーナーに向けて、判断の勘所をまとめる。

塗膜を剥がして初めて見えた、二度目の損傷
入口は、よくある後方の事故痕だった。リアバンパーは割れ、右のテールランプとコーナーパネルにも傷みが及んでいた。外観だけなら、交換と板金塗装で収まる範囲に見えた。 ところが右クォーターパネルの塗膜を剥がすと、同じ箇所に大きなダメージを修復した跡が現れた。しかもパネルは、穴が開きかけるほど薄くなっていた。ハイエースのような商用車は、荷物の出し入れや狭い現場での取り回しで、同じ角を繰り返し傷める。一度直した場所が、再びやられやすいのだ。 この話は、車種を問わず通じる。表面が綺麗に見える補修ほど、下の鉄は過去の処置の影響を受けている。見積りの段階では見えないことも多く、剥がしてから方針を決める姿勢が欠かせない。
どこまで鉄を復元し、どこからパテで整えるか
この修理の核心は、鉄の状態を確かめながら、どこまで板金で復元し、どこからパテで整形するかの線引きにある。パテは形を整える材料であって、強度を担う材料ではない。厚く盛れば見た目は戻るが、年月とともに割れや浮きとして表に出てくる。 反対に、板金で追い込みすぎれば、薄くなった鉄をさらに傷める。叩いて戻せる範囲、切り継ぎが要る範囲、パテで受ける範囲を、鉄の状態を見ながらその場で切り分けていく。この判断は、熟練の経験がなければ難しい。FOURSIDEには豊富な経験を持つスタッフが在籍しているため、適切な判断のもとで修理を完結させられる。 今回の工程は次のとおりである。- リアバンパー交換(リアバンパー、フロントグリルクリップ、リアバンパーサポートほか関連部品を含む)
- 右コーナーパネルの修理
- 右テールランプ(レンズ&ボディー)の交換
- 右クォーターパネルの板金塗装

仕事の道具だからこそ、見えない部分を整える
ハイエースは、トヨタが掲げる耐久性と信頼性の思想のもとで造られた。建設や物流の現場を止めない車であり、同時に趣味のトランスポーターやキャンプ仕様の土台でもある。使い方は違っても、長く乗られる前提は変わらない。 リセールの高さも、この車の大きな特徴である。だからこそ、安く見た目だけを整えた修理は、将来の査定や再修理で響きかねない。外装は人の目に触れる部分だが、価値を守るのは目に触れない下地の処理である。 同じ症状で迷っているオーナーには、二つのことを勧めたい。ひとつは、塗装前に鉄の状態を確かめてくれる工場を選ぶこと。もうひとつは、過去の修理歴を隠さず伝えることである。下地を正しく読み切った修理は、ハイエースの長い走行距離の先まで持ちこたえることだろう。










