

ドアエッジと内側の凹みは、なぜ放置されやすいのか
ドアエッジの欠けと、リヤドア内側の凹み。どちらも日常の乗り降りで生じやすく、走行に支障がないため後回しにされがちな症状である。しかし塗膜が欠けた金属面は、時間とともに錆の起点になり得る。ドアエッジは開閉のたびに手が触れ、目にも入る部位だ。 今回入庫したトヨタ クラウンクロスオーバーのボディカラーはプレシャスブロンズである。ドアエッジの補修塗装と、リヤドア中央部の凹み修理塗装という二つの依頼であった。 この車は高床化ボディで乗降性に配慮された設計だが、それでも駐車場の狭い間隔や日々の開閉で、エッジには負荷がかかる。シートベルトの金具を挟み込んだ等、車には乗り降り自体に傷のリスクが同居しているといっていい。
4Y6プレシャスブロンズという難所
今回の作業で最も神経を使ったのは、塗装色4Y6、プレシャスブロンズの調色だ。ブロンズ系はメタリックとパールの粒子が光の角度で表情を変えるため、色番号どおりに調合しても、経年した実車の色とは微妙にずれる。 そこで実車の塗膜を確認しながら調色し、試し吹きで見え方を比べて詰めていく。あわせて重要なのが塗装ボカシである。補修部だけを塗れば、色が合っていても境目が浮いて見える。隣接する面へ段階的に塗料をぼかし、色と艶のつながりを作ることで、境界を視線から消す。 この方法は、同じ症状を抱えるオーナーにも共通して言える要点だ。仕上がりの良否は、塗る範囲の広さではなく、境目をどう溶かすかで決まる。小さな補修でも、調色とボカシの精度が結果を左右する。- 運転席ドアエッジ:欠けの補修塗装
- 右リヤドア中央:凹み修理と塗装
- 4Y6の調色と、周辺パネルへのボカシ塗装

修理の後にこそ、コーティングという仕事が残る
この車両はもともとコーティング施工済みであった。補修塗装を行えば、その部分の被膜は失われる。修理だけで納車すれば、補修箇所とその周囲で艶や撥水の質が揃わず、せっかく色を合わせても違和感が残る。 FOURSIDEはコーティングのプロショップとしての顔も持つ。修理後に確実なコーティング再施工まで一貫して行えることが、当店の強みである。鈑金塗装とコーティングを別々の店に頼むと、責任の所在が分かれ、仕上がりの整合も取りにくい。 トヨタ クラウンクロスオーバーのように、セダンの品格とSUVの力強さを併せ持つ車は、ボディ面の艶がそのまま車格の印象になる。傷を直すだけでなく、被膜まで含めて元の状態へ戻す。この二段構えこそが、愛車を長く美しく保つための現実的な答えだと考えている。



