「僕にしかできないことを、求め続ける。」上賀茂の一杯に宿す、想像の1歩先という美学。 金田 拓巳|Chill’s Kyoto

■ 01. 3年間、この空間を愛し続けた

アルバイトとして足を踏み入れてから、およそ3年。金田拓巳が最初にChill’s Kyotoに来た時、彼はまだ”働く場所”を探していた。しかしいま、この空間を語る彼の言葉には迷いがない。 「京都に息づく伝統と現代的な感性が融合したChill’s Kyotoという空間が、本当に好きなんです。大好きなこの場所の可能性を、自分の力でさらに大きくしていきたいと思いました」 与えられた仕事をこなすのではなく、自ら役割を創り出す。常に変化し続ける。「ほかの職業ではなかなか味わえない面白さがある」と彼は言い切る。選択は、確信へと変わっていた。    

■ 02. 「本物」の重さを知った瞬間

一般的なカフェとの違いを、金田は最初、価格という形で目の当たりにした。 「北川半兵衛様のお抹茶、料理やドリンクに使うお皿やカップ。その価格に、最初は驚きました。でも、それを見た時に”妥協がない”ということが全身で伝わってきた。本物をお客様に届けたいという、Chill’s Kyotoの本気が」 そしてテーブルを囲むのは、スーパーカーのオーナーたちだ。「普段なかなか接することのない方達の器の大きさを、目の当たりにする機会がある。そのたびに、ここは普通のカフェではないと実感します」。「本物」に包まれた空間が、彼の目を日々、鍛えていった。    

■ 03. 「いい接客」では、足りない

金田の接客哲学は、シンプルでありながら深い。「胸に刻んでいるのは、”目の前のお客さんを笑顔にする”という使命だけです」 しかし彼は同時に、こう続ける。「笑顔でお迎えすること、美味しい料理を提供すること——カフェが飽和しているこの京都では、それは”当たり前”として求められ、特に評価されることでもない」 だから彼は、1歩先、2歩先を行く。お客様が期待する輪郭を、そっと超えていく。「お客様一人ひとりに寄り添い、その方に合わせた接客をする。想像を越える一杯を届ける。Chill’s Kyotoという空間で、僕にしかできないことを、目標は高く掲げながら求め続けていきたい」    

■ 04. 侑扇さんという鏡

廣澤侑扇との仕事は、金田に言葉では説明しにくい感覚をもたらしている。「自分にはない感性を持ち合わせている侑扇さんと共に働くことで、自分の感性も日々アップデートされていく感覚があります」 炭ラテ、包、夜読——Chill’s Kyotoのユニークな体験たちは、そんな磁場の中から生まれた。「侑扇さんをはじめとするFOURSIDEのメンバーが作ってきたこの空間に居続けたからこそ、あのアイデアが生まれたと思っています」 上司であり、仲間であり、ライバルでもある。「程よいライバル意識を持ちながら、今後も一緒になってこの洗練された空間を作り続けていきたい」。共鳴が、この場所を育てている。    

■ 05. 人生を、より華やかに

金田が願うのは、お客様がChill’s Kyotoを後にした瞬間のことだ。「Chill’s Kyotoの感性を身をもって味わい、人生がより華やかになるような何か——写真でもいいし、記憶でもいいし、思い出でもいい。そんな何かをひとつでも感じ取ってもらえることが、僕の願いです」 そして彼自身も、まだ途上にある。「カフェ店員としてのスキルやコーヒーの知識をブラッシュアップするだけでなく、自分の個性を発揮して、僕を支えてくれている周りの人達により良い刺激を与えられる存在になりたい」 上賀茂の静謐な空気の中で、金田拓巳は今日も、想像の1歩先へと歩み続ける。

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