都市を纏う一台、フジホワイトが語る左フロントの記憶

車両|板金塗装|京都
イヴォーク P250という車両は、都市の街並みに寄り添うために生まれた。その洗練の左フロントに刻まれた小さな事故の跡を、丁寧に消し去る作業の記録である。
車両|板金塗装|京都

クーペシルエットが街で受けた傷

ランドローバーが世に問うたイヴォークは、都市型ラグジュアリーSUVの先駆けだ。クーペのような流麗な稜線を持ちながら、悪路走破性も失わない。そんな一台が、日常の街乗りの中で左フロントに接触を受けた。ハイブランドが並ぶ通りを走るために設計された車両だからこそ、その傷は看過できないものだった。 持ち込まれた車両を見て、まず気になったのはフロントバンパーの損傷とともに左フロントホイルにも及んだダメージである。都市の路肩や縁石との距離感は、車両感覚が掴みにくい低速時にこそ油断が生まれる。今回の事故もその典型で、優雅な外観とは裏腹に、繊細な仕上げが集中する左フロント周りが直撃を受けていた。
車両|板金塗装|京都

フジホワイトという難題

保険修理として進めた今回の作業は、左フロントバンパーの修理と塗装、脱着、そして付属品の脱着まで一連の工程を要した。ボディーカラーはフジホワイト、カラーナンバー867。白は一見単純に見えて、実際は光の当たり方一つで色味の印象が変わる、扱いの難しい色である。 特にバンパーは損傷範囲のみを部分的に補修する判断となったため、既存塗装との色差が最大の関門だった。半分塗装という条件下で違和感を消すため、バンパー全体を1本仕上げで磨き上げる工程を追加している。塗り分けた境目を光の反射で誤魔化すのではなく、磨きの精度で解消するという選択である。 左フロントホイルの修理でも、車両の個性が作業の難易度を押し上げた。イヴォークのホイルは造形が複雑で、単純な円形ではなく面と面が重なり合うデザインを採用している。マスキングテープの選定から工夫を重ね、意匠の境界線を美しく保ちながら塗装範囲を限定する作業が求められた。
車両|板金塗装|京都

直線基調の内装が似合う一台へ

イヴォークの内装は直線を基調とし、物理ボタンを極力減らした先進的な空間で構成されている。視界の高さも相まって、乗員を優しく包み込むような安心感がある。外装の傷が消えたことで、この車両が本来持つ「モダン・ラグジュアリー」の輪郭がようやく取り戻された。 最終的にコーティングの再施工まで行い、補修箇所と周辺の質感を揃えている。写真記録も含め、保険対応として必要な工程を漏れなく積み重ねた結果である。都市の景色に映える車両として、この一台はまた静かに街へ戻っていく。
車両|板金塗装|京都
車両|板金塗装|京都

GALLERY

BRAND / MODEL

ブランドから記事を探す。