

「先鋭のクーペ」を選んだ理由
レクサスRCは、Radical Coupeという名の通り、これまでのレクサスにはなかった大胆な造形に挑んだ一台である。優雅に流れるルーフラインと張り出したフェンダーが生む官能的なプロファイルは、実用性ではなく所有者の感性のために存在する。今回入庫したレクサス RC350 Fスポーツのオーナーも、まさにそうした「大人のための2ドア」に惹かれた一人だろう。 発売後も下山テストコースで走り込みを重ね、ハブボルト化など足回りの締結構造まで磨き続けてきた車である。見た目の派手さだけでなく、空力性能や走行安定性のための機能美が随所に宿る。その完成度の高さゆえに、外装のわずかな変化ひとつが車全体の印象を大きく左右する。
212番、ルーフだけを変える難しさ
今回の施工内容は、ルーフパネルのカラーチェンジ(212)、アンテナの脱着と持ち込み交換、そしてルーフコーティングである。ボディ全体ではなくルーフのみを変えるからこそ、既存のソリッドブラックとの境界処理や質感の統一に高い精度が求められた。RC350が持つ本来のシルエットを崩さないための判断である。 作業の難所は、カスタムペイント後の磨き工程にあった。ソリッドブラックという色は下地の粗を隠さない分、コーティング前の下処理が仕上がりを決定づける。コンパウンドやバフ、ポリッシャーを場面ごとに使い分け、光の反射で歪みが出ないよう根気強く磨き上げた。- ルーフパネルカラーチェンジ(212)
- アンテナ脱着・持ち込み交換
- コーティング前の磨き工程(コンパウンド・バフ・ポリッシャー使い分け)
- ルーフコーティング再施工

塗り替えた面を、守る面へ
ルーフコーティングは単なる仕上げではなく、新たに塗り替えた面を長く守るための工程である。硬派な「F」の血統を受け継ぐこの車格において、外観の質感は所有者の日常における満足度に直結する。RC350というモデルの持ち味を、施工の丁寧さで裏切らないことが私たちの仕事だと考えている。 サーキットを見据えた走りの思想と、街中での優雅な存在感を併せ持つこの一台は、整備と施工の質によってその価値が保たれていく。上賀茂のガレージで磨き上げたルーフは、今日からオーナーとともに新しい艶を重ねていく。








