アウディ R8の最低地上高は、日本の路面において常に緊張を強いる数値である。今回はロベルタエレクトロリフトの取り付けを通じて、その悩みにひとつの解を示したい。
縁石とスロープに怯えなくていい理由
アウディ R8のオーナーであれば、駐車場のスロープや段差のある店先で息を止めた経験があるはずだ。フロントリップやアンダーパネルは想像以上に低く、わずか数センチの誤差が高額な修理へと直結する。今回取り付けたロベルタエレクトロリフトは、車高調整用のエアベローズをコンプレッサーで制御し、ボタンひとつで数センチの余裕を生み出す装置である。フロント・リアの両方に導入したことで、日常のあらゆる段差が「気にする対象」ではなくなった。
初めての取り付けで見えてきた難所
今回、FOURSIDEとして初めてロベルタリフターエレクトロの施工を手がけた。仕組み自体はシンプルで、最前部に置いたコンプレッサーから各サスペンション頭部のエアベローズへと配管を伸ばし、空気圧で車高を上下させる構造である。しかし言葉にすると単純なこの作業こそ、実際にはミッドシップという構造ゆえの難所を抱えていた。
最も苦労したのは、各サスペンションまでエアの配管を通す取り回しだったと担当スタッフは振り返る。配管の長さを一本一本現物合わせで決め、干渉を避けながら適切なルートを探る作業は、想像以上に時間を要した。さらに配管にはコルゲートチューブでの保護を施し、熱源に近い箇所には断熱処理も欠かせない。
アウディ R8特有のミッドシップレイアウトは美しい反面、配管一本の逃げ場さえ限られているのである。
- コンプレッサー本体をフロントに集約したレイアウト設計
- 各サスペンションへのエア配管の取り回しと長さの最適化
- コルゲートチューブによる保護と断熱処理の実施
音とルーフ、外装まで含めた総仕上げ
今回はエキゾーストバルブコントローラーの取り付けも合わせて行っている。V10という官能的なエンジンを積む
アウディ R8だからこそ、排気音のキャラクターを状況に応じて選べる価値は大きい。静粛に走りたい早朝と、音を解き放ちたい峠道とでは、求める音色がまるで違うからだ。
並行してルーフと右ドアの修理・塗装、ドア内側の傷修理にも取り組んだ。外装の小さな傷は放置すれば劣化を早めるが、今回のように車高調整という機能面の刷新と同時に手を入れることで、車両全体としての完成度を底上げできる。
アウディ R8を長く乗り続けたいと考えるオーナーには、こうした複合的な施工のタイミングこそ好機だと伝えたい。