朝5時起きの京都で、この一台が似合う人間は限られている。メルセデス・ベンツ CLS450は、目的地よりも道中を優先する人のための車である。

メルセデス・ベンツ CLS450 4マチックスポーツエクスクルーシブパッケージ|月曜、静かな出発
CLS450の一日は、たいてい静かな月曜の朝から始まる。オーナーは烏丸あたりで会社を経営する50代。渋滞の四条通を避け、鴨川沿いを北上する裏道を選ぶ。3.0Lの直6ターボにモーターを組み合わせた48Vのシステムは、発進の瞬間だけ電気の力を借りる。ガソリン車なのに、最初の一歩は妙に静かだ。この違和感こそが、朝の頭を切り替える儀式になっている。会議前にコーヒーを買うコンビニの駐車場でも、車体の長さ5000mmが少し気になる。しかし彼はそれを不便と思わない。むしろ、簡単には収まらない存在感を毎朝確認しているようなものだ。
助手席が黙る内装
同乗者を乗せた瞬間、車内の空気が変わる。ダッシュボードを横一線に貫くターコイズブルーのアンビエントライトは、京都の夜の東山を思い出させる色だという声もある。本革シートはエクスクルーシブ仕様の柔らかさで、初めて乗る人はまず座面の沈み込みに驚く。実際、49,000kmという距離を感じさせないほどシートのへたりは少ない。運転者はよく「何も言わなくても伝わる内装だ」と語る。説明を挟まなくても、助手席の人間は自然と口数が減る。饒舌な人ほど、この静けさに気づいて笑うらしい。それが彼にとっての、ちょっとした満足の材料になっている。
週末、鞍馬までの道
週末になると、この車は近所の買い物用ではなく、遠出のための道具に変わる。鞍馬や大原方面へのワインディングでは、4マチックの四輪駆動が本領を発揮する。1420mmという低い全高のおかげで、カーブでの車体の傾きは想像より小さい。彼はスピードを競うタイプではないが、狙ったラインを外さない感覚は好んでいる。また、同乗する妻は「揺れないから寝られる」とよく言う。実際、荒れた路面でもサスペンションが角を丸めてくれるので、車内での会話が途切れない。目的地に着く頃には、行き先よりも道中の記憶が濃くなっている。
同僚が聞いてくる本音
この車に乗り始めてから、会社の同僚に聞かれる質問はいつも同じだ。「新車じゃないの、それ」という一言である。2019年式で購入価格400万円と聞くと、たいてい驚かれる。新車のCLSがどれほどの値段になるか知っている人ほど、その差に敏感になる。オーナー自身も、最初は中古という選択に迷いがあったと明かす。しかし実際に乗ってみると、49,000kmという距離は内外装のどこにも表れていない。彼はその質問に答えるとき、少し得意げな顔をする。値段の話は本来野暮だが、この車に限っては笑って話せる話題になっている。
夜、駐車場に佇む一台
一日の終わり、マンションの機械式駐車場に車を収める瞬間が、彼にとって一番落ち着く時間だという。ホワイトの外装は夜間照明の下でも輪郭がぼやけず、むしろ静かに主張する。5000mmの車体を切り返しなく収める操作は、もう体が覚えている。彼は「派手さより、扱いやすさが長く付き合える理由だ」とよく言う。エンジンを切った後、しばらく車内に座って一日を振り返ることもある。この時間があるから、翌朝の出発がまた楽しみになる。特別な日でなくても、この車は日常の輪郭を少しだけ整えてくれる。
メルセデス・ベンツ CLS450 4マチックスポーツエクスクルーシブパッケージ スペック・仕様
| メーカー | メルセデス・ベンツ |
|---|---|
| グレード | CLS450_4マチックスポーツエクスクルーシブP |
| 年式 | 2019 |
| 走行距離 | 49,000 km |
| 外装色 | ホワイト |
| ハンドル | 右 |
| 排気量 | 2,990 cc |
| 燃料 | ガソリン |
| 車両重量 | 1,970 kg |
| 車検 | 2028年7月 |
| 修復歴 | なし |