

オフローダーとしての矜持と、都市での佇まい
ディフェンダーは、フルタイム4WDと電子制御エアサスペンションを備え、渡河深度や最低地上高でクラス屈指の走破性を誇る。悪路を歩ける車体でありながら、上賀茂の街並みに停まっていても違和感がない。この二面性こそがディフェンダーを選ぶ理由であり、その二面性を装備の一つひとつで裏切らないことが、ガレージの仕事だと考えている。 今回の依頼は、外装の質感を底上げする一連の施工であった。ブレーキキャリパーペイントとキャリパーステッカーで足元を引き締め、ドアハンドルカバーチェッカーを取り付けて日常使いの傷を未然に防ぐ。リアバンパープロテクションはマットブラックを選び、無骨さと精悍さの両方を狙った。
リアクォーターパネルまで開ける、スポイラー装着の難所
リアスポイラーフィットの取り付けでは、リアクォーターパネルの脱着が伴う。ここは焦ると内装のクリップを痛めやすい箇所であり、慎重に位置決めをしながら進めた。ディフェンダーの直線的なリアビューに、スポイラーがどう馴染むかを確認しながらの作業だったが、狙い通り輪郭が引き締まった仕上がりになった。 あわせてディーゼル車用のマフラーカッター&ガードをブラックで装着した。パワートレインはディーゼルD300/D350からガソリンP400/P425、プラグインハイブリッドまで多彩だが、今回の個体はディーゼルであり、排気の熱と泥はねに強い仕様を選んでいる。走行性能を損なわず、見た目の重心を下げる狙いである。
見えない場所にこそ、手間を惜しまない
室内側ではリクライニングステーを取り付け、3列シートを含む乗員全員の快適性に配慮した。Pivi Proを中心としたデジタルコックピットの先進性と、頑丈な内装素材の実用性が同居するのがディフェンダーの内装であり、そこに小さな快適装備を足すだけで印象は変わる。 作業の最後には、ホイールの内側まで洗い上げた。表からは見えない部分であっても、汚れが残ったままでは仕事を終えたとは言えない。ディフェンダーという一台に手を入れるとは、見える部分と見えない部分の両方に同じ熱量を注ぐことだと、今回もあらためて実感した。













