

曲面が裏切らないための見極め
LCのボディは流れるような曲面で構成され、わずかな凹凸も光の反射で露見してしまう。今回割れていた部分も、単純に接着して終わらせるわけにはいかなかった。損傷の深さ、割れの方向、素材の伸びしろ。それらを触覚で確かめ、光に照らし合わせて読み取る作業から始まった。 低重心かつ高剛性なボディを支えるバンパーには、見た目以上の役割がある。衝撃を受け止める構造の一部である以上、修理方法の選択を誤れば強度不足につながりかねない。損傷の状態に合わせて修理方法を選び分けることが、今回最大の難所だったと言える。
割れの奥にある強度という約束
修理で最も意識したのは、見た目を整えるだけで終わらせないことだ。割れた箇所は内部から補強材を行き渡らせ、表面を均してから再び硬化を待つ。手順を急げば仕上がりの艶にムラが出る。だからこそ各工程で乾燥と確認を挟み、焦らず進めた。- 損傷状態に応じた補修方法の選定
- 内部補強による強度の再構築
- 面整形と塗装仕上げによる艶の統一

光が滑る瞬間に宿る仕上がり
修理を終えたバンパーに指を這わせると、割れがあった場所はもう分からない。むしろ面の連続性は以前より滑らかに感じられるほどだ。太陽の光がボディラインを滑るように流れ、スポーティーさと高級感を両立したLC本来の存在感が戻ってきた。 強度と見た目、そのどちらも妥協しない修理は、派手さのない作業の積み重ねでしか成立しない。LC500に乗り込むたび、その静かな確かさが伝わるはずだ。


