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2026.03.06STAFF
「求人すらない門を叩いた」素人からマネージャーへ。執念で辿り着いた、黒の極致。 林 拓実|DETAIL MANAGER
■ 「カッコいい」という直感だけで送った、一通のメール
FOURSIDEがまだ産声を上げたばかりの初期。当時、求人サイトにその名はなかった。 「いろんなショップを見ましたが、ここが一番カッコよかった。だから、ダメ元で直接メールを送ったんです」
林拓実は、そう振り返る。全くの素人。しかし、その目に狂いはなかった。対応した廣澤代表に「この人は面倒見が良さそうだ」という直感を感じ、彼はこの世界に飛び込んだ。
■ 絶望を越えた、独学のプライド
しかし、現実は甘くなかった。修行初日、2日目。他社でのコーティング研修に参加した林は、自分の想像を絶する作業の大変さに絶望を味わう。
「最初は、思っていたのと違うと思うくらい打ちのめされました。でもある程度できるようになった後、どうしても自分の仕上がりに納得がいかなくて」
そこからが、彼の真骨頂だった。ネットやあらゆる情報源から自ら知識を吸収し、技術を磨き、道具を厳選した。会社に教わるのを待つのではなく、自らの「納得」のために技術を奪いにいく。その執念が、彼をディティールマネージャーという地位まで押し上げたのだ。
■ ドアの内側に宿る、真の「ディテーリング」
林が最も「脳汁が出る」と語るのは、意外にもボディの表面ではない。ドアを開けた瞬間に現れる、ヒンジ周りやステップの「内側」だ。
「見えるところを綺麗にするのは、プロとして当たり前のこと。でも、普段は隠れているドアの内側や細部にこそ、その店のすべてが宿ると思っているんです」
オーナーですら滅多に意識しない場所に、一切の妥協なく光を宿す。その狂気的なまでの執着こそが、単なる洗車と、林の提唱する「ディテーリング」を分かつ境界線だ。蓋を閉めれば見えなくなる場所に、誰よりも情熱を注ぐ。その誠実さが、FOURSIDEのクオリティを底上げしている。
■ 強烈な「同級生チーム」を繋ぐ架け橋として
廣澤代表をはじめ、山田GM、村田、川口という、専門学校時代からの絆で結ばれた強烈なプロ集団。その中にあって、林は自身の役割を「後輩としての架け橋」だと定義する。
「同級生だからこそぶつかることもある。その間で、後輩としてうまくバランスを取りながら、チームを一つの方向へ向かわせる。それが僕の役割だと思っています」
■ 迷う暇があるなら、数をこなせ
次世代の若者たちへ、林が送るメッセージは極めてシンプルだ。 「とにかく、数をこなしてください」
知識や理論も大切だが、最後はどれだけ車と向き合い、どれだけポリッシャーを回したか。その圧倒的な経験量だけが、素人をプロへと変える唯一の道であることを、林自身の歩みが証明している。


