

TRDパーツに潜む、ゴムモールという境界線
今回のLEXUS LC500には、フロントリップ・サイドステップ・リアサイドリップとTRDのエアロパーツが一式装着されていた。TRD製パーツには水滴や泥の侵入を防ぐためのゴムモールが取り付けられている。これを塗装前にどう扱うかが、今回の作業全体を左右する分岐点だった。 選択肢は単純ではない。ゴムモールを装着したまま塗れば境目にマスキングの段差が残る。かといって闇雲に剥がせば、経年で硬化したゴムは元の位置に戻せず、パーツとの間に隙間や歪みが生まれかねない。色を変えるという一言の裏に、素材の性質を見極める判断が要求されていた。
外して塗るという決断と、その先の打ち合わせ
最終的にゴムモールは再使用できる形で丁寧に取り外し、パーツ本体と分離した状態で塗装する方針に決めた。グロスブラックからホワイトノーヴァガラスフレークという、質感も明度もまったく異なる色への転向だからこそ、モールとパーツの間に違和感が出ないかを一つずつ確認しながら進める必要があった。 この判断に至るまでには、お客さまとの細かな打ち合わせがあった。一緒に塗るか、それとも別工程にするか。ゴムモールの黒がアクセントとして残る仕上がりを良しとするか、パーツ全体を新色で統一するか。完成後の見え方を一つ一つ言葉にしながら、一番しっくりくる答えを共に探した時間だった。 フロントリップとサイドステップ、リアサイドリップは左右とも脱着したうえで再塗装している。塗装後にゴムモールを組み戻す工程まで含めると、単純な色替えの何倍もの神経を使う作業になった。
ホワイトノーヴァガラスフレークが映す、ラグジュアリークーペの表情
塗り上がったホワイトノーヴァガラスフレークは、光の角度によって粒子が煌めく質感を持つ。ボディを覆う新雪のような純白と、フレークの繊細な輝きが並ぶと、TRDエアロが単なる社外パーツではなくカーデザインの一部として溶け込んで見える。ゴムモールを外して塗った甲斐があった仕上がりである。 あわせてリヤエンブレムはLC500の刻印をキャンディブラックで染め、フロントとリヤのレクサスマークにはPPFでスモーク処理を施した。細部に及ぶこだわりの積み重ねが、 LCという一台の完成度を静かに底上げしている。- リヤエンブレムLC500塗装(キャンディブラック)
- TRDエアロ グロスブラック→ホワイトノーヴァガラスフレーク塗装(フロントリップ・サイドステップ・リアサイドリップ左右)
- フロント・リア レクサスマークスモーク(PPF)






