今回のレクサス ES 300h Fスポーツは、右リヤフェンダーとバンパーの境目にダメージが集中していた。フェンダーとバンパーの合わせ面という、もっとも面の連続性が問われる場所である。パテを盛り、削り、また盛る。その繰り返しの中で目指したのは、指先でなぞっても段差を感じさせない滑らかさだった。
この車種は後席に座る人の体験を最優先に設計されている。ドアを閉めた瞬間の無音に近い感覚、走り出したときの継ぎ目のないスムーズさ。その思想は外装にも通じる。合わせ面に僅かでも段差があれば、光の反射が揺れ、静粛性という価値そのものが疑われてしまう。だからこそパテの整形作業には、通常以上の時間をかけた。