仕事の相棒が語る、上賀茂の車検整備録

スズキ|4WD_GA|整備|京都
スズキ エブリイバンは「進化した仕事の道具」として世に出た商用バンである。今回の車検で見えてきたのは、その道具をどう使い込んできたかという、静かな記録であった。
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荷室優先の設計思想が現場に残した跡

エブリイバンは荷室とキャビンの使いやすさを両立させるべく設計されたモデルである。人よりも荷物を、快適さよりも積載効率を優先する構造は、裏を返せばバッテリーやベルト周りといった機能部品を、限られたスペースに凝縮する結果を生んでいる。今回対応したスズキ エブリイバンも、まさにその設計思想の恩恵と代償を、フロア下やエンジンルームの狭さという形で背負っていた。 バッテリーはフロア下に格納されており、交換の際は姿勢を保つだけでも一苦労であった。仕事の道具として日々荷物を積み下ろししてきた車体だからこそ、こうした場所にも使用の痕跡が静かに刻まれている。
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「効きが悪い」の一言から始まった診断

お客様からいただいた「エアコンの効きが悪い時がある」という声は、決して大きな訴えではなかった。しかし商用車として長く使われてきた車両にとって、この一言こそが劣化のサインである場合が多い。診断の結果、コンプレッサーの交換に至った経緯は、日常の小さな違和感を軽視しないことの大切さを物語っている。 あわせてタイロッドエンドブーツやスタビリンクロッドの状態を確認すると、フロントスタビライザーには破れが見つかった。左右とも交換し、リンクも新調している。長年の使用で少しずつ進んだ劣化は、一度に表面化するのではなく、こうして複数の場所に静かに現れるものである。
  • フロントスタビライザー左右交換(破れ)
  • フロントスタビライザーリンク交換
  • タイロッドエンドブーツ交換
  • エアコンコンプレッサー交換
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手間を惜しまない整備が積み重なる場所

ウォーターポンプとベルトの交換では、テンショナーが自動式でないため、張りの調整を2、3回繰り返す必要があった。手間のかかる工程ではあるが、こうした一手間を惜しまないことが、次の車検までの安心につながると考えている。オイルはFUCHS SUPER GT 10W-30とオイルフィルターを新調し、ブレーキ液も入れ替えて、動力と制動の両面を整えた。 フロントとリアのワイパーゴムは、いずれも吹き残しが見られたため交換している。小さな不満が積もる前に手を入れることも、車検整備の役目のひとつである。作業の最後には、メーター周りや小物入れまで拭き掃除を行った。仕事の道具として使われてきたエブリイバンが、また気持ちよく現場に戻れるようにという思いを込めた仕上げである。
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