純正シルバーが消えた日、面のつながりが完成した

フェラーリ ローマ|カスタム|京都
フェラーリ ローマに乗り続けた歳月の分だけ、ホイールは主張を強めていた。今回はグロスブラックへの塗り替えを通じて、車両本来のシルエットを取り戻す一台の記録である。
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純正シルバーが似合わなくなった理由

フェラーリ ローマは、伝統的なイタリアンGTの優雅さと現代的なスポーツ性能を同時に成立させる思想で生まれた車である。ボンネットからリアフェンダーへと流れる面のつながりを美しく見せることが、設計の根幹にある。 その思想を踏まえると、純正のシルバーホイールは決して悪くはないが、ボディの陰影を静かに際立たせるには少し主張が強すぎた。オーナーが求めたのは、光の受け方までも含めた面の完成度だったのだろう。 ホイールの色ひとつで、ボディラインの見え方は驚くほど変わる。そこにグロスブラックという選択が持ち込まれた背景には、車の設計思想を理解した上での判断があったと言える。
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大径ホイールが突きつけた重量との対話

作業に取りかかると、まず立ちはだかったのはホイールとタイヤの重量だった。ローマの足元を支える大径ホイールは見た目以上に大きく、単純な着脱の動作すら気を抜けない。 ホイールからタイヤを外す工程、そして組み付ける工程のどちらにおいても、取り回しには相応の体力と集中力を要した。重さがあるぶん、わずかな油断がホイールやタイヤの傷につながりかねない。 作業スタッフは無理に力をかけることを避け、持ち方や置く位置を都度確認しながら進めた。急がず、しかし止まらない。地味に見えるその積み重ねが、最終的な仕上がりの質を決めていく。
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キャリパーとの一瞬の接触も許さない

塗装を終えたホイールを車両へ戻す工程にも、静かな緊張が続いた。ローマのキャリパーはホイールとの距離が近く、取り付けの角度をわずかに誤るだけで接触の危険がある。 そこでスタッフはタオルを挟み込み、ホイールとキャリパーの間に緩衝を作りながら位置を合わせていった。塗り上がったばかりのグロスブラックに、金属同士の接触痕を残すわけにはいかない。
  • 大径・重量級ホイールの着脱を、傷を出さずに完遂
  • タオル養生によるキャリパー接触の回避
  • グロスブラックによる面のつながりの再構築
作業を終えた足元を見ると、フェラーリ ローマが持つボディの陰影とホイールの黒がひとつの連続した面として馴染んでいる。設計者が意図した佇まいに、静かに近づいた瞬間である。
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