

角に寄ったエンブレムという難題
フロントバンパーカスタムペイントに先立ち、サイドエンブレム左右をキャンディーブラックで塗装する工程がある。取り外して塗るだけなら単純だが、問題はその前段階、下地を整えるための研磨にあった。エンブレムの取り付け位置がボディの角に近く、面が緩やかに折れているため、研磨材を均一に当てることが極めて難しかったのである。 平面であれば機械的に磨きを流せばよい。だが角に近い箇所は力の逃げ場がなく、少しでも均一性を欠けば下地に段差が残る。NXの精悍な表情を支える面の張りは、こうした角のわずかな狂いにこそ表れる。担当者は手の角度と圧を刻一刻と変えながら、面の流れを指先で追い続けた。
位置を記憶させるマスキングという保険
エンブレムは一度外せば、再び寸分違わぬ位置に戻すことが仕上がりの品位を左右する。ミリ単位のずれでも、光の当たり方ひとつで違和感として浮き上がってしまう。そこで取り外す前に、周囲へマスキングテープで位置関係を正確に写し取っておくという手順を踏んだ。取り外した後の記憶に頼らず、テープという物理的な基準を残すことで、再取り付け時の迷いを断ち切る狙いである。 あわせて、ドアミラー脱着・分解の工程でも同様に、周囲を保護材で覆いながら車体に傷をつけぬよう慎重に進めた。ドアミラーのメッキ部はキャンデーブラックに塗り替え、ドアモールも呼応する色合いに仕上げている。細部の一つひとつが独立せず、全体の陰影として響き合うよう計算された仕事であった。細部が支える一台の完成度
今回はフロントバンパー脱着・分解のうえで樹脂部のシボ消しとボディ同色塗装を行い、フロントバンパースポイラーはソニックチタニウムで新調した。さらにフロントのレクサスマークにはPPFでスモークを施し、ホイールコーティングは両面に、FEYNLA ULTRAという5年耐久のコーティングも合わせて纏っている。- フロントバンパーカスタムペイントおよび樹脂部塗装・シボ消し
- フロントバンパースポイラー(ソニックチタニウム)の装着
- ドアミラーメッキ部・ドアモールのキャンデーブラック塗装
- サイドエンブレム左右の塗装とフロントレクサスマークのPPFスモーク









