
マット塗装という繊細な被写体
マット塗装の車に乗るオーナーは、一度は艶を出すコーティングを断られた経験があるのではないか。メルセデス・ベンツ CLSクラスのセレナイトグレーマグノも例外ではない。通常の研磨と光沢仕上げを施せば、マット特有のつや消し表現は簡単に崩れてしまう。だからこそ今回は、塗装面に手を加えすぎないことを最優先の方針とした。 マット塗装車のコーティング選びで失敗しがちなのは、「せっかくなら艶も出したい」という欲が顔を出す瞬間である。しかしマット塗装はそもそも艶を消すことで成立している意匠だ。その前提を理解した施工店を選ぶことが、何より重要になる。
研磨は三箇所だけ、という判断
今回の作業で研磨を行ったのは、ヘッドライト・テールランプ・ピラー部分に限定した。ボディの大半を占めるマット塗装面には研磨を入れず、素材ごとの状態を見極めながら部分的に手を入れている。同じ症状――経年によるくすみや微細な傷――を抱えていても、全面を均一に磨くことが正解とは限らない好例である。 ヘッドライトやテールランプは樹脂、ピラーは塗装面と、素材が異なればダメージの出方も回復の仕方も変わる。マット塗装のボディと光沢のある樹脂パーツが混在するCLSクラスだからこそ、一括りの工程ではなく部位ごとの見極めが仕上がりを左右した。質感を守った先にある仕上がり
マットセラミックコーティングは、艶を足すのではなく、今ある質感を長く保つための処置である。CLSが持つ伸びやかなルーフラインとワイドなボディは、光沢がないからこそ陰影が際立つ。その陰影を汚れや紫外線から守ることが、このコーティングの本質的な役割だ。- マットセラミックコーティング施工
- ヘッドライト・テールランプ・ピラーの部分研磨
- ETCセットアップ






