

後輪駆動からオールラッドへ、変わった車体の呼吸
先代のB7(ABA-7M30)は後輪駆動であったが、このモデルからフルタイム4WDへと移行し、車名にも「オールラッド」が加わった。4,395ccのV8ツインターボはBMW製をアルピナが独自にチューンし、8速ATと組み合わせて4輪へ力を伝える。駆動系が増えた分だけ、オイルやフィルター類にかかる役割も静かに重くなっている。 新車価格は2,550万円から2,597万円という領域にあり、専用のフロントバンパーやリアスポイラーが高速域でのリフトを抑える造りになっている。B7というクルマは、速さと快適性を両立させるために、見えない部分にも相応の精度を要求してくる。
フィルター交換に潜む、締め直しという儀式
今回の車検整備では、エンジンオイルとオイルフィルターの交換を中心に、エアコンフィルター、リモコンキーの電池交換までを一通り手掛けた。オイルにはFUCHSのGT1 FLEX3 5W-40を選び、このエンジンの特性に見合った保護性能を与えている。 特筆すべきは、オイルフィルター交換の工程である。一度適正トルクで締めてから、あえて緩め、再び締め直すという手順を踏む。この一手間を省くと、わずかな滲みや漏れにつながることがあるという。地味だが、B7のような高出力エンジンには欠かせない作法である。- エンジンオイル・オイルフィルター交換(FUCHS GT1 FLEX3 5W-40)
- エアコンフィルター(クリーンフィルター)交換
- ブレーキオイル交換(部品代含む)
- リモコンキー電池交換

内装の質感を支える、見えないメンテナンスの積み重ね
アルピナ・ブルーの円形メーターや専用ステアリング、上質なレザーで仕上げられた室内は、この個体がどれほど丁寧に扱われてきたかを物語っている。車検整備という定期的な節目は、そうした質感を保ち続けるための静かな裏方作業である。 保安基準検査を経て、フレグランスの仕上げまで含めた一連の作業を終えたこの車両は、再び上賀茂の道へと戻っていく。600馬力超とされる記憶ベースの数値を持つエンジンも、今は落ち着いた呼吸で次の出番を待っている。アルピナB7という稀有な存在に、当ガレージはこれからも丁寧に寄り添っていく。









