ゴルフの右後方、鉄板が語る成熟の手触り

ゴルフ|板金塗装|京都
右リアフェンダーとドア、バンパーに残った傷跡を、ゴルフが纏う静けさごと直すこと。それが今回の課題であった。派手さより、指先で確かめられる平滑さを取り戻す仕事である。
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ドイツ車の骨格に触れる板金という作業

ゴルフという車には、叩けば応える鉄板の厚みがある。右リアフェンダーの凹みを整形しながら、その手応えの重さに何度も気づかされた。柔らかい国産車の板金とは違い、面を戻すたびに芯の強さが指先に返ってくる。この骨格の硬さこそが、静粛性と経済性を両立させた「成熟の傑作」を支える土台なのだと、作業をしながら実感していた。 リアドアの部分補修も同様である。ドア一枚の開閉音、閉まる瞬間の重厚な響きを損なわぬよう、あえて広範囲の脱着を避け、傷んだ箇所だけに手を入れる判断をした。これは費用を抑えたいというご要望に応えるための選択であったが、結果として車体全体の一体感を守ることにもつながっている。
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マスキングの隙間に潜む、見えない敵との攻防

今回、必要最低限の部品脱着で仕上げる方針を取ったため、マスキングを施す箇所は通常より増えた。テープの境目が増えるということは、その分だけ下地作業が繊細さを要求されるということでもある。境界に埃が入り込めば、塗装面にわずかな段差や曇りとして現れてしまう。 そこで下地の工程では、マスキングの隙間という隙間にほこりが溜まらぬよう、一箇所ずつ丁寧に確認しながら進めた。これは長年の経験則に基づく判断であり、見えないところにこそ品質は宿るという考えのもとで貫いた作業である。ゴルフの塗装面が持つ静かな光沢は、こうした地道な積み重ねの上にしか成立しない。
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光の反射に嘘をつかない、リアバンパーの仕上げ

リアバンパー右部分の補修塗装では、既存の塗膜との境目を光の角度によって見破られないことを目標とした。曇りの日、晴れた日、それぞれの光でバンパーの面を確認し、色の入り方に濁りがないかを何度も見返している。 塗装一式を終えたゴルフの車体は、手のひらで撫でたときの滑らかさと、光を受けたときの深い艶とが違和感なく連続していた。静かで、上質で、経済的という三拍子を崩さぬまま元の姿へ戻せたことに、この仕事の意味を感じている。ゴルフという一台が持つ品格を、これからも支えていきたい。
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