純正シルバーが映す、下地の記憶

アストンマーティン DB11|板金塗装|京都
アストンマーティン DB11のホイールに残った傷は、塗装の下でこそ正直だった。光沢の奥にある下地の質感から、今回の施工を振り返る。
アストンマーティン DB11|板金塗装|京都

シルバーという色が容赦しない理由

アストンマーティン DB11の足元を包む純正シルバーは、見る角度によって表情を変える色である。だがこの色には弱点がある。下地の粗をそのまま拾い上げてしまうのだ。今回のホイル修理4本は、損傷が予想より深く、通常の工程では仕上がりの艶に影響が出ると判断した。だからこそ塗装前の下地づくりに、いつも以上の時間を割いた。 手で触れて確かめる工程を何度も繰り返した。研磨面に指先を這わせ、わずかな段差や引っかかりがないかを確認する。目では見えない凹凸も、指の腹は正確に拾う。この地道な確認作業を怠ると、塗装後にシルバーの光が乱反射し、仕上がりの静けさが失われてしまう。
アストンマーティン DB11|板金塗装|京都

キャリパーの奥まで届く手入れ

ホイールを外すという作業は、普段は隠れている部分と向き合う機会でもある。アストンマーティン DB11の足回りを覗くと、ブレーキキャリパーにも走行の記憶が積もっていた。今回は修理と並行して、このキャリパーの清掃も実施している。ただ塗装して戻すだけでは、仕上がりの帰り道に納得できない。 キャリパーの汚れを落とすと、ホイールを組み込んだときの一体感がまるで違う。金属の質感が息を吹き返し、シルバーのホイールとの対比が際立つ。見えない場所にまで手を入れる判断は、完成後の一目では伝わらないかもしれないが、乗る人が屈んで覗いた瞬間に、確かな差として届くはずである。
アストンマーティン DB11|板金塗装|京都

光の返り方で確かめる仕上がり

塗装が乾いたホイールを陽の下に置くと、シルバーの粒子が均一に光を返してくる。これは下地の精度がそのまま結果になった証である。アストンマーティン DB11のフロントミッドシップという設計思想が生む俊敏な走りは、足元の質感があってこそ説得力を持つ。4本すべてに同じ深さの光沢を宿すことを、今回は目標に据えた。 作業を終えて改めて見るホイールは、傷の記憶を感じさせない静かな佇まいを取り戻していた。ご依頼に対して最上の形でお応えできたのも、こうした丁寧な工程を積み重ねた上での判断である。アストンマーティン DB11という車両にふさわしい仕上がりを、静かな自信として送り出した。
アストンマーティン DB11|板金塗装|京都
アストンマーティン DB11|板金塗装|京都
アストンマーティン DB11|板金塗装|京都

GALLERY

BRAND / MODEL

ブランドから記事を探す。