デイトナグレーが語る、走らせた距離

アウディ|カブリオレ3.0クワトロ|板金塗装|京都
アウディ S5カブリオレ 3.0クワトロのボンネットとフロントバンパーに残された微細な飛石傷。それは派手な事故ではなく、この車が真面目に走り続けてきた証だった。
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見えない傷が語る、オーナーの距離感

今回入庫したアウディ S5カブリオレは、登録9年目を迎える一台である。持ち込まれた損傷箇所は、正直に言えば写真では伝わりにくいほど微細なものだった。フロントバンパーの色割れとボンネットの飛石傷。事故でも粗雑な扱いでもない。高速道路を含む日常の足として、この車をきちんと動かしてきた人の車であることが、傷の付き方からうかがえた。 派手な損傷であれば話は簡単だ。だがこの車の傷は、こまめに車体を見ているオーナーだからこそ気づける類のものだった。会話を重ねる中で見えてきたのは、S5という「静かなる実力派」の性格そのままに、車を大事に、しかし遠慮なく走らせてきたという事実である。
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デイトナグレーパールという難所

今回はフロントバンパーとボンネットの脱着分解、そして飛石・色割れの修理を行った。作業内容は以下の通りである。
  • フロントバンパー脱着分解、飛石・色割れ修理
  • ボンネット飛石修理
  • 脱着に伴う各部調整
難所はカラーコードLZ7S(デイトナグレーパール)だった。光源によって表情を変えるこの色は、屋外の自然光と屋内の照明下とで印象が微妙に異なる。フロントバンパー、ボンネットともにブロック塗装となるため、調色は複数の光源下で繰り返し確認しながら進めた。単色に見えて実は奥行きのある塗色であることを、作業を通じて改めて実感させられた一台である。
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これから先の距離のために

塗装を終えたアウディ S5カブリオレは、傷があったことすら忘れさせる仕上がりに戻った。だが今回の作業で得たものは、それだけではない。プロの目線で車両全体の状態とメンテナンス履歴を見極め、オーナーと今後のメンテナンススケジュールについて言葉を交わす時間を持てたことが大きい。 バウハウスの思想を受け継ぐクリーンなエクステリアも、クワトロが生む絶対的な安心感も、日々の手入れなしには成立しない。今回の修理は単発の作業ではなく、これから先も長く付き合っていくための、いわば節目である。次に会うときのS5の状態を、静かに楽しみにしている。
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