ソニックチタニウムが映す、下地という見えない仕事

レクサス LS|板金塗装|京都
レクサス LSのリアバンパー修理は、色を合わせる作業である以上に、目に見えない下地と向き合う作業だった。同じ塗色や同じセンサー配置に悩むオーナーへ、現場の判断を共有したい。
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1J7という難物と向き合う

入庫したレクサス LSのカラーコードは1J7、通称ソニックチタニウムである。この色は輝度の高い細かいメタリックを大量に含んでおり、光の下で見ると粒子が層をなして輝く。ところがこの繊細さが曲者で、下地にわずかな粗があると、塗膜の上からその凹凸がそのまま浮き上がってしまう。派手な色ほど誤魔化しがきくと思われがちだが、実際は逆である。粒子が細かく均質な塗色ほど、下地の状態を正直に映し出す。 だからこそ今回は、研磨の段階から時間を惜しまなかった。パテやサフェーサーの面を指先と目で何度も確認し、光を反射させながら微細な凹凸を潰していく。この工程を端折ると、後日「なんとなく面が波打って見える」という違和感につながる。レクサス LSのような高輝度メタリック塗色を扱う際は、色合わせの技術以上に、この下地づくりに時間をかけられるかどうかが仕上がりを分けると言ってよい。
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センサーが眠るバンパーの繊細さ

今回のリアバンパーには、ブラインドスポットセンサーが内蔵されていた。このセンサーは膜厚のわずかな変化にも反応することがあり、塗装が厚くなりすぎるとエラーを引き起こす可能性がある。つまり見た目の美しさを追求するあまり下地剤を厚く盛ってしまうと、機能面で不具合を招く危険と隣り合わせになる。レクサス LSに限らず、センサー類が集中する現代のバンパー修理では、この境界線をどこに引くかが職人の腕の見せどころになる。 そこで採った方針は、下地剤を塗布する範囲そのものを小さく絞り込むことだった。一度に広く整えるのではなく、変化の様子を見ながら少しずつ範囲を調整し、時間をかけて修正を重ねていく。地味な作業に見えるかもしれないが、この積み重ねがセンサーの誤作動を防ぎ、なおかつ美観も損なわない着地点を生む。急がず、しかし止まらない。そんな作業のリズムが求められる現場だった。
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脱着分解という選択がもたらすもの

今回の施工では、リアバンパーを一度脱着し、分解したうえで部分修理塗装を行っている。バンパーを取り付けたままでの補修も可能な場合はあるが、センサー周辺や継ぎ目の奥まで手を入れるには、外して初めて見える面がある。レクサス LSのように精密な設計思想のもとに作られた車両では、表からは見えない部分にこそ品質の差が出やすい。分解して確認する手間を惜しまないことが、結果として仕上がりの信頼性につながった。 今回は得意先への値引きという形で価格面の配慮も行っているが、それは工程を簡略化する意味ではない。むしろ丁寧な作業を前提としたうえで、長く付き合いのあるオーナーへの敬意として組み込んだものである。レクサス LSが体現する「妥協を許さない源流主義」という思想は、車両の設計だけでなく、こうした修理の現場における一つひとつの判断にも通じていると感じる一台だった。
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