トヨタ クラウンスポーツ 左リアバンパー部分補修 ― 黒の艶に妥協しない現場の流儀

トヨタ|板金塗装|京都
トヨタ クラウンスポーツハイブリッドの左リアバンパーに残った傷を、部分補修塗装で仕上げた記録である。色を合わせるだけでは終わらない、艶と面の連続性まで見据えた作業の中身を綴る。
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ソリッドブラックという難題

今回持ち込まれたトヨタ クラウンスポーツは、2024年登録の新しい個体である。左リアバンパーに傷が入り、部分補修塗装での修復となった。色はソリッドブラック。単色ゆえに簡単に見えるが、実際は逆である。メタリックやパールのように粒子の乱反射で境目をぼかせない分、クリアの見切り方一つで仕上がりの品位が決まってしまう色なのだ。 クラウンスポーツのボディは、あえてキャラクターラインを排し、面の抑揚と光の反射だけでダイナミックさを表現するという設計思想で作られている。700回以上の試作を経て実現したという曲面は、裏を返せば塗装の粗をそのまま映し出す面でもある。ソリッドブラックのこの面に対して境目を曖昧にできないクリアの層を、どこでどう切るか。今回の作業ではそこに最も神経を使った。
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境目を消す、磨きという最終工程

補修塗装は塗って終わりではない。今回こだわったのは、修理箇所そのものよりも、その周辺、つまり塗装していない隣接部分の磨き方である。補修範囲だけをぴかぴかに仕上げると、かえって「そこだけ綺麗すぎる」という違和感が浮き上がってしまう。そこで隣接部にもグラデーションをかけながら磨きを入れ、経年による艶の差を自然につないでいった。 同じ症状で悩むオーナーへの示唆として言えるのは、部分補修の良し悪しは補修箇所の完成度だけでは測れないという点である。むしろ「継ぎ目が見えるかどうか」こそが技術の分かれ目になる。クラウンスポーツのように面で魅せる車種は特に、この境目の処理が仕上がりの印象を左右すると考えてよい。
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足元まで含めた総仕上げ

今回はバンパーの補修に合わせて、タイヤ4本の脱着も行っている。21インチの大径タイヤでワイド&ロースタンスを強調するのが、このモデルのリヤビューから生まれたデザインの核心である。足元の状態も含めて整えることで、後ろ姿全体の緊張感を損なわずに仕上げることができた。 トヨタ クラウンスポーツハイブリッドは、乗って楽しいという感情価値を追求して開発された一台である。だからこそ外装の傷一つも、面の連続性を壊さずに直すことが本質的な修復だと考えている。目立たなくすることと、綺麗すぎて浮かないようにすることは、似ているようで違う技術である。その差を詰める作業を、今回も丁寧に積み重ねた。
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