軽さこそが正義であるロータスにとって、ホイールの状態は走りの純度を左右する。今回はその足元に残った古い塗膜との格闘の記録である。
軽量思想の車体が抱える、足元の宿命
今回入庫したロータス エキシージは、余分な装備や重量を削ぎ落とし、軽量な車体と優れたハンドリングでドライバーを楽しませることを最優先に設計された一台である。その思想を支えるのがホイールであり、路面からの入力を直接受け止める部位でもある。だからこそ、傷みや歪みを放置すれば操る楽しさそのものが損なわれる。今回は3本のホイール修理が必要となり、単なる見た目の補修ではなく走行性能に関わる作業として向き合った。
剥がれない旧塗膜との根比べ
修理を進める過程で、以前の塗膜がめくれてくるという想定外の事態に直面した。エキシージに限らず、年式の経ったホイールでは下地と塗膜の密着が弱まっていることが多く、表面的な補修だけでは再発の火種を残してしまう。そこで剥離剤を使用し、塗膜そのものを除去する判断に踏み切った。しかし旧塗膜は思いのほか頑固で、剥離剤を用いても簡単には剥がれず、除去作業には相応の時間を要することとなった。
同じ症状を抱えるオーナーへ伝えたいのは、表面のめくれは氷山の一角である場合が多いという点だ。安易に上塗りだけで済ませると、数か月後に再びめくれが顔を出す。時間を要しても塗膜を根こそぎ除去し、下地から整え直すことが、結果的に長く美しさを保つ近道になる。エキシージのような軽量ホイールほど、下地の均一性が仕上がりの精度に直結する。
下地からの再構築が生んだ仕上がり
旧塗膜をできる限りきれいに除去した後、一度ホイールを塗って下地の状態を確認し、整え直すという工程を挟んだ。この一手間が、最終的な仕上がりの均一さと発色の深みを決定づける。今回は修理と並行して、以下の作業も実施している。
- ホイールペイントによる質感の統一
- ホイールコーティング(両面)による保護膜の形成
- ブリヂストン RE71RZ の新調(205/50R16・235/45R17)
ホイールという小さな部位であっても、下地から丁寧に組み直すことで本来の軽やかな表情が戻ってくる。同じ悩みを抱えるオーナーには、表面の補修で終わらせず、剥離という手間を惜しまない判断を勧めたい。それがロータスの走りを、長く支える土台になる。