

フロアの下、見えない場所にある本音
エブリイバンを預かってまず向き合ったのは、バッテリーの位置である。この車両はバッテリーが室内フロア下に収まっており、点検や交換のたびに室内のカーペットをめくる必要がある。他の商用バンなら数分で終わる作業が、ここでは倍近い手間になる。だがその面倒な一手間こそ、荷室の広さと使い勝手を犠牲にしないための設計思想の裏返しだと、作業をしながら気づかされる。 「進化させた仕事の道具」というコンセプト通り、荷室とキャビンの実用性を最優先した結果、整備側には手間が回ってくる。カーペットを外すときの布地の擦れる音、めくった先で新しいバッテリー端子が「カチッ」と収まる感触。地味だが、ここを丁寧にやるかどうかで、後々のセルの回り方が変わってくる。
オイルとフィルター、匂いで分かる仕事の質
車検整備の本丸はオイルとフィルター交換である。抜いた廃油の色と匂いを確かめてから新油を注ぐと、エンジンルームにふっと軽い油の香りが立ち上る。エアコンフィルターも同時に交換したことで、送風の音質そのものが変わった。今まで気づかなかった「こもり」が消え、風の抜けが素直になる。ワイパーゴムも新品に替え、フロントガラスを拭いた瞬間の「スッ」という滑らかな一拭きが戻ってきた。 ブレーキオイルの交換も部品代込みで実施している。ペダルを踏んだときの反発力、いわゆる「踏み応え」は、液の劣化具合で確実に鈍る。新しいオイルに入れ替えたことで、ペダルの初期タッチがしっかりと硬く戻り、指先ならぬ足先で違いが分かるレベルに仕上がった。
下廻りの黒、光沢が語る耐久性
下廻り洗浄と防錆塗装、そしてシャシーブラックの塗布は、見た目以上に手触りと光沢にこだわった工程である。洗浄後の下廻りに乾いた光が反射する様子は、汚れが完全に落ちた証拠であり、そこに防錆塗装を重ねることで艶のある黒が均一に広がる。塗りムラのない黒は、単なる見栄えではなく、これから先の錆の進行を抑える実質的な仕事の証だ。- 下廻り洗浄と防錆塗装、シャシーブラック仕上げ
- ブレーキオイル交換(部品代込み)
- キーバッテリー交換とマイナーパーツ整備
- 保安基準検査を含む車検整備一式










