2019年秋に登録されたトヨタ アクアが、6年目の車検で上賀茂の工房を訪れた。街乗り中心の穏やかな走行履歴が、逆にバッテリー配置という設計上の壁を浮かび上がらせることになった。
後部座席の下に眠るバッテリーという構造
このトヨタ アクアはハイブリッド機構の都合上、補機バッテリーが後部座席の下に収められている。エンジンルームを開ければ済む一般的な車とは勝手が違い、点検のたびに内張りを丁寧に外す手間が生じる。今回はキーバッテリーの状態も含めて見るため、狭い視界の中で端子の緩みや腐食の兆候を一つひとつ確かめる作業となった。
登録から6年が経過し、初期のバッテリー類はちょうど寿命の境目に差し掛かる時期である。前オーナーがどのような使い方をしてきたか、ここでは多くを語らない。ただ、シート下という見えない場所にこそ、車の正直な履歴が刻まれているとだけ言っておきたい。
下廻りの防錆と足まわりの静かな消耗
京都の冬は融雪剤が撒かれる。下廻り洗浄と防錆塗装は、この土地で愛車を長く乗るなら避けて通れない工程である。洗浄で泥や塩分を落とし切ってから塗装に入るため、見た目以上に地味で時間のかかる作業だった。
ブレーキオイルは劣化すると水分を含み、制動力の低下につながる。今回は部品代を含めて交換し、油圧系統の信頼性を車検後も維持できる状態に整えた。目に見えない部分ほど、次の6年を左右する。
- 下廻り洗浄・防錆塗装
- ブレーキオイル交換(部品代含む)
- クーラントブースター添加
視界と空気、日常の快適さを支える小さな部品
ワイパーゴムは前後とも交換した。雨の多い京都の気候では、ゴムの硬化がそのまま視界不良に直結する。フロントとリア、それぞれの動きに合わせた部品を選び、拭き取りのムラを解消した。エアコンフィルターも合わせて新調し、車内に取り込む空気の質を整えている。
保安基準検査を通し、マイナーパーツの点検まで済ませたことで、このトヨタ アクアは次の車検までの二年間を安心して走れる状態になった。派手さはないが、日々の運転を支える部品ばかりを丁寧に見直した仕上がりである。