2019年式のダイハツ ムーヴカスタムは、通勤や買い物の足として淡々と距離を重ねてきた一台である。派手な不調はないが、それゆえにエンジンオイルの状態こそが今回の主役となった。
メッキの押し出しとは裏腹な、地味な消耗の蓄積
フロントグリルやバンパーにメッキパーツを配し、LEDヘッドランプで押し出しの強いフェイスを持つカスタムモデルは、見た目こそ上級志向だが、中身は660ccの心臓を持つ軽自動車である。ムーヴという車格ゆえに、街乗り中心の使われ方をしているオーナーが多く、この個体も例外ではなかった。
軽トールワゴンならではの高い全高で室内が広く、後席の乗降性や荷室の使い勝手も良いため、日常の細々とした用事に頻繁に駆り出される。エンジン単体で見れば負荷は軽いようでいて、短距離走行の繰り返しはオイルの劣化を静かに進める。今回はまさにその積み重ねが、交換のタイミングを教えてくれた。
0W-20という選択と、空気圧という小さな見落とし
CVTによる滑らかな加速とアイドリングストップ機能で低燃費を実現するムーヴカスタムには、燃費性能を引き出す低粘度オイルが向いている。今回は
0W-20を選定し、始動直後の抵抗を抑えつつエンジン内部を隅々まで循環させることを狙った。
あわせて行ったのが空気圧の点検である。オイルほど話題に上らないが、日々の走行で徐々に抜けていく空気圧は、燃費にも乗り心地にも直結する。今回はオイル交換のついでに見過ごされがちなこの数値を整え、走行性能・エンジン双方のコンディションを底上げした。
スマートアシストを支える、見えない足元の整備
年式により内容が異なるとはいえ、この個体には先進の安全運転支援システム「スマートアシスト」が搭載されている。センサーやカメラがどれほど優秀でも、それを載せる車両本体のコンディションが整っていなければ本来の性能は発揮されない。オイルと空気圧という基本の整備は、その土台を支える地味だが欠かせない仕事である。
今回の作業では値引きにも応じ、日常使いの一台に対して無理のない負担で整備を仕上げた。ムーヴカスタムのスポーティな外観の奥で、地道に働き続けるエンジンとタイヤに、静かな手当てを施した一日であった。